しょ〜うぃん広場

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プロダクトオーナーとして機能開発の優先度を決めるのは難しい

今年の7月から(スクラムにおける文脈の)プロダクトオーナーを担当していて、そろそろ4ヶ月ぐらいが経つわけですが、機能開発の優先順位を正しくつけるのはめちゃくちゃ難しいなぁと感じています。
BtoB のサービスを開発しているので、カスタマーサポートのメンバーからお客さんが普段どんなところに困っているかという声はちょこちょこ聞こえてくるのですが、それを統合して課題の大きさを判断するのは(情報がバラバラで)難しいし、同じテーマで顧客の声を吸い上げるにはヒアリングをする必要がありコストがかかるなぁという印象です。

PCゲーム業界ではうまくいっている?

ぼくは Steam でベータ版のゲームをやることが多く、面白そうだなーと思ったものは Steam に登録される前のアルファ版から手を出して遊んでいることもあります。(好きなジャンルが経営シミュレーション系なのですが、そもそも市場にゲーム数が多くないので、ベータ版が出た段階ぐらいから早めに目をつけています。)
最近のゲームは、昔のように完成したゲームをどーん!と発売するのではなくて、一通り遊べるレベルになったらベータ版としてリリースして、ユーザの声を聞きながら正式版としての完成を目指していくものが多いです。特にPC版のゲームはそれが顕著ですが、SwitchやPS4のゲームソフトでもあとからアップデートをかけられるような仕組みになっており、ユーザの遊び方を観察してそれに合わせてバージョンアップをしているように見えます。
(勝手な推測ですが) なぜ業界全体がそういう方向に向いているかというと、ゲームがどんどん複雑化していて1本のタイトルを作るコストが増大し、1本失敗すると大打撃を受けてしまうからでしょう。(スプラトゥーン2も発売当初は1年間だけバージョンアップしていくよ。と宣言していましたが、売れ行きが好調だったのでその期間を延長することになりました。)
この状況はWebサービスを開発しているスタートアップも同じで、(少し大袈裟ですが)自社プロダクトが失敗したら会社はおわりなので、ユーザの声を聞きながら市場にフィットするプロダクトに少しずつ方向修正していかなければなりません。

Steam がプラットフォームとして成功している1つの理由に、ユーザからの声がゲーム開発者に届きやすい構造になっているというものがあると思っています。 ゲームごとにフォーラムがあり、レビューも集まりやすいのでゲーム開発者にユーザの声がどんどん届くわけです。その意見を参考にしながらゲームを拡張していくことで、よりユーザのニーズに沿ったゲームを作ることができ、結果的に面白いゲームが Steam に集まることになるのではないでしょうか。
また、最近遊んでいた Oxygen Not Included というゲームは、起動するとゲームタイトルの部分に「次に開発して欲しい機能は次のうちどれですか」と四択で選択できるような機能がありました。これは、開発優先度を決める上で非常に有効な手段なのでは?と感じており、弊社のプロダクトでも取り入れてみようかなと考えています。
よく聞く話に「ユーザの声を真に受けるな」というものがありますが、私はこれに半分同意で半分不同意です。ユーザが(自由に発言した)「〇〇の機能が欲しい」という声は真に受けてはならず、その背後にある真の課題は何なのかを読み解き、プロダクトとして一貫性のある機能改善でその課題を解決すべきです。お客さんの声を鵜呑みにしてしまうとプロダクトの思想が失われていき、ぐだぐだなものが出来上がります。一方で、上の例のように、こちらで開発したい機能をいくつか提示してどれが欲しい?と聞くことは非常に価値があり、こちらが(製品の方向性を考えた上で)開発しようと思っている機能のうち、ユーザのニーズが高いものから順にリリースができます。 (すべての選択肢がイケていないこともあるので、「その他の機能」という選択肢が必要かもしれませんが…笑)

優先順位付けのベストプラクティスって皆どう勉強しているの?

SaaSでそのようにユーザに直接開発順位を問うているプロダクトは今まで触れたことがなく、ユーザの声を聞きながらプロダクトの方向性を修正していくのはゲーム業界の方が進んでいたりするのかな?と思って記事を書いてみました。
プロダクトオーナーの皆さんはどこでベストプラクティスを学んでいるのでしょうか… 良い書籍などあれば教えてください。。